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2016-12-14(水)

YAMAHA の無線 LAN アクセス ポイントの機能比較

Posted by Nakane, R. in technical   

YAMAHA の無線 LAN アクセス ポイント 3 機種の違いが分かりにくかったので、メーカー サイトでに公開されている主な仕様の表を結合してみました。 (表を作ってから、仕様比較できることに気づいたけど、もったいないのでそのまま行きます。)

この表を見ながら、筆者なりにざっくりと評価してみます。

LAN ポートは、WLX402 だけが 2 ポートで、WLX302 と WLX202 は 1 ポートだけです。 この表には書きませんでしたが、3 機種ともに 1000BASE-T に対応しています。 無線 LAN のアクセス ポイントなので通常であれば 1 ポートあれば十分に足ります。 しかし、後で見るように WLX402 の無線 LAN の伝送速度は最大で 1.7Gbit/s と 1000BASE-T の速度を超えています。 WLX402 ではこの高速通信に対応するために、2 つの 1000BASE-T の LAN ポートをリンク アグリゲーションで 1 つに束ねられるようになっています。

コンソール ポートは、WLX402 と WLX302 には RJ-45 で 1 ポートあります。 WLX202 にはコンソール ポートはありません。 表の中ほどにあるように、WLX202 ではコンソールによる設定のほか、TELNET による設定もできません。 WLX202 の Web UI で、設定をファイルに保存したり、保存したファイルから設定を復元したりできるようですが、どのような形式で保存されるかは未確認です。 (CUI のコマンドとは違う形式だと予想します。)

RAM の容量は WLX402 が 512MB で最も多く、WLX302 が 256MB、WLX202 が 128MB と順に少なくなっています。 これに対して接続端末数は 3機種すべてで 50台+50台の合計 100台です。 接続している端末を管理するにはそれなりのメモリが必要ですが、たぶん 128MB あれば 100台程度の端末を管理するには十分なのでしょう。 RAM 容量の差は接続端末数以外の機能の違いによるものと考えられます。 機種選定の際にはあまり気にしなくてもいいでしょう。

WLX402 だけにある USB ポートは、ログの保存先としてしか使えないようです。

無線 LAN 規格を見ると、WLX402 と WLX202 では IEEE802.11ac をサポートしてます。 さらにアンテナ本数と MIMO 方式を見てわかるように、同じ IEEE802.11ac であっても WLX402 はより高速な通信が可能です。 ただし、通信速度に差があるのは 5GHz 帯だけです。 2.4GHz 帯はいずれも 40MHz のバンド幅で 2x2 MIMO 方式でアンテナを駆動しているので、3 機種ともに通信速度は同じです。

暗号化方式で、WLX202 では WEP が各周波数帯で 1 つの SSID でしか使えませんが、今時 WEP を使うこともない (というか使うべきではない) ので、大した差にはならないでしょう。

ファームウェアの更新では、メーカー サイトでは WLX202 だけが Web GUI でのローカルファイル指定によるリビジョン アップができないような書き方になっていますが、そのようなことはありません。 WLX202 では Web GUI でしか操作ができないことと、WLX402 の一括リビジョン アップを除けば、3 機種ともにファームウェアの更新についての機能に差はありません。

WLX402 の一括リビジョン アップについては、無線 LAN コントローラー機能を使って、複数のアクセス ポイントを管理しているようなときには何気に便利かもしれません。

内蔵 RADIUS サーバーでは、EAP-TLS は WLX402 だけがサポートします。 これに関連すると思われるクライアント証明書の発行も WLX402 だけが可能です。 WLX302 や WLX202 で EAP-TLS で認証したいときは、別途 RADIUS サーバーを立て、さらにクライアント証明書も別に発行する仕組みを用意する必要があります。 なお、それ以外の RADIUS 関連の機能は 3 機種で共通です。

ロギングについては、WLX402 を LAN コントローラーにしたときだけ、メンバーのアクセス ポイントからのログを収集して USB メモリーに保存できます。 ログの収集と保存は、コマンドを実行したときに各メンバーで保存されているログになります。 このため、継続的なログの収集はコマンドをスケジュール登録するなどして、定期的に実行する必要があります。 なお、コントローラー自身のログが一緒に保存されるかは未確認です。

その他の機能では、WLX202 だけにメール通知機能とスケジューリング機能がありません。 筆者の場合はメール通知機能を使うことはほとんどありませんが、スケジューリング機能が無いのは辛いです。 ただし、時刻合わせだけは WLX202 でもスケジューリング動作が可能なようです。 (内部的にはスケジューリング機能 schedule at を持っているが、Web UI を準備していないだけではないかと邪推しています。)

無線 LAN の見える化ツールも WLX202 にはありません。 無線 LAN コントローラーで管理できる台数も、WLX402 と WLX302 がともに 49台なのに対して、 WLX202 だけは 15台と少なくなっています。

WLX402 には最適 AP 選択機能がついています。 最適 AP 選択の具体的な情報はメーカーの Web サイトからすら、いまだに見つけられません。 これは、アクセス ポイントに接続している端末台数や、アクセス ポイントが受信した信号の強さや S/N 比などをもとに、無線 LAN コントローラーで管理しているアクセス ポイントのどれが通信を担うかを決める仕組みでないかと、筆者は勝手に憶測しています。

PoE の規格が WXL402 だけ IEEE802.3at です。 現時点でもっとも普及している PoE の規格は IEEE802.3af と思います。 このため、WXL402 の導入に合わせて PoE 給電 Hub のリプレースが必要になるかもしれません。

YAMAHA 無線 LAN アクセス ポイントの比較
  WLX402 <メーカー ページ> WLX302 <メーカー ページ> WLX202 <メーカー ページ>
希望小売価格 (税抜) 99,800円 オープン 39,800円
LAN ポート
2ポート (スイッチング ハブとしての使用は不可)
リンク アグリゲーション可
1ポート ← (同左)
コンソール ポート 1ポート (RJ-45) ← (同左)
RAM 512MB 256MB 128MB
USB ポート
1ポート (USB2.0 Type-A)
※USB メモリに対応
アンテナ
2.4GHz帯用 ×2
5GHz帯用 ×4
外部アンテナ端子 (2.4GHz/5GHz共用) ×1
2.4GHz帯用 ×2
5GHz帯用 ×2
2.4GHz帯/5GHz対兼用用 ×2
NIMO 方式
2.4GHz: MNMO (2x2 2ストリーム)
5GHz: MNMO (4x4 4ストリーム)、
MU-MIMO (最大 3ユーザー)
シングルユーザーMIMO (2×2 2ストリーム) ← (同左)
無線 LAN 規格
2.4GHz: IEEE802.11b/g/n (最大伝送速度 300Mbit/s)
5GHz: IEEE802.11a/n/ac (最大伝送速度 1.7Gbit/s)
2.4GHz: IEEE802.11b/g/n (最大伝送速度 300Mbit/s)
5GHz: IEEE802.11a/n (最大伝送速度 300Mbit/s)
2.4GHz: IEEE802.11b/g/n (最大伝送速度 300Mbit/s)
5GHz: IEEE802.11a/n/ac (最大伝送速度 866Mbit/s)
2.4GHz/5GHz 利用 同時利用可能 ← (同左) ← (同左)
5GHz 対応周波数 W52 / W53 / W56 ← (同左) ← (同左)
アクセス方式
インフラストラクチャー モード
WDS モード
← (同左) ← (同左)
接続端末数
2.4GHz帯: 最大50台
5GHz帯: 最大50台
合計 100台
← (同左) ← (同左)
認証方式
オープン
PSK
WPA/WPA2 パーソナル
WPA/WPA2 エンタープライズ
← (同左) ← (同左)
暗号方式
CCMS (AES)
TKIP
WEP (64bit/128bit)
← (同左)
← (同左)
※WEP は各周波数帯で 1 つのSSID でのみ使用可。
マルチ SSID
2.4GHz帯: 8個
5GHz帯: 8個
合計 16台
← (同左) ← (同左)
セキュリティ機能
プライバシーセパレーター
Any 接続拒否
MACアドレスフィルタリング (1VAPあたり256件)
パスワード設定
接続台数制限
送信出力調整機能
ステルス SSID
← (同左) ← (同左)
タグ VLAN(IEEE 802.1Q) ← (同左) ← (同左)
ポートベース VLAN
管理プロトコル SNMP(v1) ← (同左) ← (同左)
ファームウェアの更新
TFTP からのリビジョンアップ
Web GUI からの HTTP またはローカルファイル指定による一括リビジョンアップ
TFTP からのリビジョンアップ
Web GUI からの HTTP またはローカルファイル指定によるリビジョンアップ
← (同左)
※Web UI での操作のみ
内蔵RADIUS サーバー 簡易型 (最大200件 ,EAP-PEAP(MSCHAPv2), EAP-TLS, MACアドレス/接続SSID制限対応) 簡易型 (最大200件 ,EAP-PEAP(MSCHAPv2), MACアドレス/接続SSID制限対応) ← (同左)
外部RADIUSサーバー対応 (IEEE 802.1X EAP認証)
EAP-TLS,
EAP-TTLS/MSCHAPv2
PEAPv0/EAP-MSCHAPv2
PEAPv1/EAP-GTC
EAP-SIM
EAP-AKA
EAP-AKA Prime
EAP-FAST
← (同左) ← (同左)
クライアント証明書発行
ロギング機能
メモリーに蓄積 (10,000件)
SYSLOG での出力 (コントローラー/メンバー共通)
コントローラー AP 使用時 USB メモリーにメンバー AP のログ集約
メモリーに蓄積 (10,000件)
SYSLOG での出力
← (同左)
設定手段
コンソール
TELNET
Web 設定画面
TFTP によるダウンロード/アップロード
ヤマハルーターの Web GUI/コマンドによるバックアップ
← (同左)
Web 設定画面(HTTP)によるダウンロード/アップロード
ヤマハルーターの Web GUI/コマンドによるバックアップ
機能
QoS (WMM[Wi-Fi Multimedia])
DHCP クライアント
DHCP サーバー
メール通知機能
NTP クライアント
スケジューリング機能
← (同左)
QoS (WMM[Wi-Fi Multimedia])
DHCP クライアント
DHCP サーバー
NTP クライアント
L2MS スレーブ
L2MS コントローラーの Web GUI/コマンドによる設定・状態表示・管理、ネットワーク構成表示
コンフィグの保存/復元
ゼロコンフィグ機能
← (同左) ← (同左)
拡張機能
無線の見える化ツール
無線 LAN コントローラー機能 (管理可能台数は、最大49台)
範囲指定型自動チャンネル選択機能
自動チャンネル変更機能
電波出力自動調整機能
最適 AP 選択
無線の見える化ツール
無線 LAN コントローラー機能 (管理可能台数は、最大49台)
範囲指定型自動チャンネル選択機能
自動チャンネル変更機能
電波出力自動調整機能
無線 LAN コントローラー機能 (管理可能台数は、最大15台)
範囲指定型自動チャンネル選択機能
自動チャンネル変更機能
電波出力自動調整機能
対応サプリカント Windows 7 Professional OS 標準サプリカント
状態表示ランプ 前面: 5 (POWER、LANポート1、LANポート2、2.4GHz、5GHz) 上面: 7 (POWER、STATUS、INFO、LAN、2.4GHz、5GHz、SLAVE) 前面: 3 (POWER、WLAN、SLAVE)
動作環境条件
周囲温度0〜50℃
周囲湿度15〜80% (結露しないこと)
周囲温度0〜40℃
周囲湿度15〜80% (結露しないこと)
周囲温度0〜50℃
周囲湿度15〜80% (結露しないこと)
最大消費電力 18W 11W 8.3W
最大消費電流
電源アダプター: AC100V(50/60Hz) 1.2A
PoE (IEEE 802.3at 準拠): DC36〜57V 0.4A
電源アダプター: AC100V(50/60Hz) 0.2A
PoE (IEEE 802.3af 準拠): DC36〜57V 0.3A
電源アダプター: AC100V(50/60Hz) 0.2A
PoE (IEEE 802.3af 準拠): DC36〜57V 0.2A
発熱量 64.8kJ/h 39.6kJ/h 29.9kJ/h
筐体
上面、底面共: プラスチック筐体、ファンレス
セキュリティースロット (ケンジントンロック用)
上面: プラスチック筐体、底面: 金属シャーシ、ファンレス
上面、底面共: プラスチック筐体、ファンレス
セキュリティースロット (ケンジントンロック用)
電波障害規格、環境負荷物質管理 VCCI クラス A, RoHS 対応 ← (同左) ← (同左)
外形寸法
232(W)×45(H)×272(D)mm (突起部含む)
※平置き、壁掛け、天井設置、VESA規格スタンド取り付けが可能
160(W)×40(H)×178(D)mm (突起部含む)
※平置き、壁掛け、天井設置が可能
170(W)×37(H)×210(D)mm (突起部含む)
※平置き、壁掛け、天井設置が可能
質量
本体 1.2kg (付属品含まず),
マウントキット一式 255g,
反射板 145g,
電源アダプター(別売) 300g
本体 670g (付属品含まず),
マウントキット一式 190g,
電源アダプター(別売) 170g
本体 430g (付属品含まず),
マウントキット一式 245g,
電源アダプター(別売) 170g
付属品
冊子 (取扱説明書(保証書含), 初期設定ガイド)
マウントキット
反射板
冊子 (はじめにお読みください, 「WLX302」無線設定ガイド, 保証書)
CD-ROM (1枚: [PDF]取扱説明書・はじめにお読みください・コマンドリファレンス)
マウントキット
冊子(取扱説明書(保証書含), WLX202無線設定ガイド)
マウントキット
オプション
電源アダプター (YPS-12V3A)
PoEインジェクター (YPS-PoE-AT)
RJ-45 コンソールケーブル (YRC-RJ45C)
電源アダプター (YPS-12V, YPS-12HT)
RJ-45コンソールケーブル (YRC-RJ45C)
電源アダプター (YPS-12V3A)
PoEインジェクター (YPS-PoE-AT)
デフォルト IP アドレス 192.168.100.240 ← (同左) ← (同左)

総括すると、小規模事業所や個人宅(!?)なら WLX202 で十分だろうと思います。 しかし筆者に限って言えば、TELNET が使えないことや、スケジューリング機能が無いことが大きなデメリットです。 かといって、WLX402 にするには価格が折り合わない感があります。 PoE 給電に IEEE802.3at が必要なことも、価格の折り合いに大きく影響しそうです。 このため、IEEE801.11ac が使えないデメリットがあるものの、しばらくは WLX302 を提案することになりそうです。 WLX302 の供給が止まるころまでに、後継機種が手ごろな価格で発売されることを期待しています。

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